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2005/11/29

ア・フュー・グッドメン A Few Good Men

〈1992年、米制作 おすすめ度★★★★★〉
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テレビ放送しているのを発見してしまうと、なぜか何度でもついつい観てしまい、いつも引き込まれてしまう1本。最近はもう「ネタ」になってしまっているトム・クルーズが若く颯爽とした姿で登場。あんまり好きじゃないんだけどこれに限っては許してしまいます。「ネタ」としては、もう妖怪化してしまったデミ・ムーアも軍服姿が凛々しく、素敵です。キーファー・サザーランドやケヴィン・ベーコンもそれぞれいい味を出しています。駆け出しだったノア・ワイリーやキューバ・グッディングJr.の姿を捜すのもまたよし。

また「ザ・ホワイトハウス」が好き、という方は、原作・脚本はアーロン・ソーキンです。全員が早口で長くてウィットに富むセリフをがんがんしゃべるタッチはまさに「The West Wing」っぽい。ハマれる確率が高いのではないでしょうか。ラスト近くのクルーズとジャック・ニコルソンとの「コードR(レッド)」をめぐるやり取りは「You can't handle the truth」といえば通じるほどで、映画の名場面のひとつではないでしょうか。

B00024Z5FYア・フュー・グッドメン
トム・クルーズ ロブ・ライナー ジャック・ニコルソン

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私の中でしっくりこないのは、キャフィー(トム・クルーズ)が吐く息が真っ白で、背景の木も赤く紅葉している、明らかに深まる秋のなかでのロケシーンでジョー(デミ・ムーア)の軍服がまだ白い夏服(同僚も含めて、ですが)なのはなんでか?ということと、ジョーの髪型はどうやったら再現できるのか、の2点だけです。

以下、感想をつらつらと。

象徴的なのはオープニングとクロージングに使われているスーザのマーチ「忠誠(Semper Fidelis)」。日本人にもおなじみのメロディーですが、米海兵隊を象徴する曲のひとつなのだそうです。よくありがちな「法廷ドラマ」とくくるのは簡単なんだけど、実はこの「忠誠」という言葉、そしてそれが「何に対しての」忠誠であるのか、を登場人物の全員が考える映画、といってもいいのではないかと思います。

裁く側と裁かれる側に分かれますが、裁く側に属しているキャフィーもジョーも人間としてはそれぞれちょっと問題アリ。司法長官にまでなった偉大な父を持って屈折し、成績優秀だけど不本意ながらその亡き父の意向を受けてか海軍で「おつとめ」を果たし、司法取引専門で完全に仕事をナメているキャフィーと、逆に粘着質で仕事にかじりついているジョー。ジョーがなぜあれほど仕事に打ち込むのかの背景がちょっとわからないのも残念なのですが…。この2人と、半ば巻き込まれる形になって弁護にあたるワインバーグ(ケヴィン・ポラック)の3人が、ぎくしゃくしながら次第に一丸となっていくのが、何度観てもなぜか共感できます。

一方、軍隊、というより海兵隊という特殊な場所における指揮命令系統とは何か。さらにその中でもさらに特殊なイデオロギー対立の最先端であるキューバという場所で隊員が隊員の暴行によって亡くなったとき、上層部の人間たちはどう動いたか、ということにも興味が尽きません。海兵隊は「精鋭部隊」のイメージがありますが、そうした隊員がいる一方で社会のドロップアウトぎりぎりの人たちの受け皿になっている部分もあります。また、今回のイラク派兵でもわかるように、大学進学への足がかり(奨学金など)を求めて入隊する若者も多く、犠牲になったサンティアゴのような「落伍兵」も当然存在して不思議ではありません。

キューバの基地の責任者ジェソップ大佐を演じているのがニコルソン。「Grotesque and incomprehensible(奇怪で不可解)」な存在、と自らの台詞で語っていますが、例によって憎々しいんだ、コレが。

私の中でいちばん印象に残っているのは途中で自殺を選ぶジェソップの副官で同期生だったマーキンソン中佐(J.T.ウォルシュ)。中間管理職、と表現するのでは陳腐すぎる、彼の「忠誠」への苦渋の選択は、いちばん痛かった。そして、ラストで自分のしたことが何が間違っていたのか悟る「加害者」のドーソンも。

秋の夜、ちょっと真面目な映画を観たかったらおススメです。

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